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通り過ぎゆく町。
5月5日。熊本、鹿児島ときたら次は宮崎かなぁと、とりあえず行ってみようと何の予定も立てず鹿児島中央駅から宮崎へ。ガタンゴトン、呆れるほど晴れ渡った青空のもと電車は走る。水平線を境に濃い水色と淡い水色の綺麗なグラデーションが窓一面に広がる。窓の外の景色に釘付けの自分とは対照的に、乗客のほとんどが本を読んだり、居眠りしたり、見るべき景色に無関心。毎日見ていたらどんな素晴らしい風景も、何でもないものになってしまうのかもしれない。それでも電車はガタンゴトン、ガタンゴトン。野を駆け、山を越え、谷を渡る。何度も見たことがあるような懐かしい、でも初めて目にする景色が次々と視界の後ろへと流れていく。
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お昼前に宮崎駅へ降り立つ。どうしようかなぁと考えても良策はない。いつものごとくカメラぶら下げて思うままに歩いてみる。あっちへテクテク、こっちへトコトコ。まだGWのはずなのに人が少ない。目抜き通りも人はまばらで、淋しい印象すらうける。有名な県知事があれだけメディアで宣伝しているのに...、宮崎に限らず地方はどこも大変だ。まぁ、地方だけじゃなく大きな都市も大変なんだろうけど。
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歩き回ること2時間、なんだかピンとこなかった。今日は鉄道マニアになろうと決めて、大分に向かう。5時間の電車の旅。鹿児島からも合わせると移動距離330km。立派な鉄ちゃんだ。これまた窓に映る景色に魅了されながら、東京みたいに人が作ったものの中ではなく、自然が創り上げたものの中を小さな電車はぐんぐん進む。途中、何度か乗り換える度に、楽しそうにお喋りをする地元の学生たちの声が聞こえてくる。鹿児島、宮崎、大分、少しずつイントネーションが変わっていくのが分かる。それがなんだか嬉しい。僕は方言が好きだ。日本語が好きだ。言葉が好きだ。ただ、喋るのは苦手だ。
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大型連休最終日の夜、大分に到着。もうGWの喧噪はない。街は静かだ。
 
by monday_panda | 2010-05-20 03:10 | daily
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イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
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