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うららかさんぽ 49
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ここ数年ほど、一年に一度、きまって梅雨空の下で会う女性がいる。

ある朝の天気予報、傘のマークが並んでいる。白に近いグレーの空からはまだ少し冷たい雨が降っている。都心の高層ビルが近くに見える大通りを歩く。点滅し始めた信号の青色に少し気持ちがはやる。パラ、パラパラ、パラっと傘の上で跳ねる雨音の不安定なリズムが、一年ぶりに彼女に会える心の揺らぎを助長している。
なんていう、湿度の高い色気のあるような話しなんかではない。いたってカラッとした話しだ。

その梅雨空の彼女に会いに、先週末、新宿区は荒木町にある、“COFFEE & GALLERY ゑいじう”へ。
白水麻耶子 個展 『昨日見た夢の、手渡し方』 を見に行く。
尾道に暮らす彼女が、毎年この時期に東京で個展を開催しているので、今年もふらりと訪れる。お店の扉を開けると、ふわりとコーヒーの香り。二階のギャラリースペースへの階段をトン、トン…トンと上りきると、窓際で絵筆を動かしている彼女がいた。久しぶりの再会にお互いキャッキャするわけでもなく、ぼそぼそと途切れ途切れに挨拶を交わし作品に向かう。
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18歳の頃からのつき合いになる白水さん。今も変わらず彼女の描くものが好きだ。きっと彼女にしか見ることの出来ない世界があるんだろうな。その中で紡がれている、ひとつひとつの愛おしい物語の断片を、丁寧に切り取り写し出した作品たち。そんな世界を、少し開いた扉からひょこっと顔を出し覗き込んでいるような感覚。作品の前に立つと、あちらの世界のひそひそ話が聞こえてきそうでもある。作品の中から立ち上がる、光と影、音と会話、水や風、土の匂いや木々のゆらぎがとても心地よい。よい。

『お腹空いた〜』と昼食に出たギャラリーへの帰り道。道端で大きな葉っぱを手に入れ、小学生男子のようにご機嫌な白水さんの後ろ姿は、彼女の描く世界が、ここにもつながっているかのような光景だった。

そんな白水さんの個展は、今週末7月2日(土)まで。

→ 白水 麻耶子 HP
→ coffee & gallery ゑいじう

 
 
 
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by monday_panda | 2016-06-28 12:46 | stroll | Comments(0)



イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
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