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猿も木から落ちる。
一日中雨が降っていたある休日、アウトドア大好きな会社の先輩のお誘いを受けて、ボルダリングなるものに行ってみる。西日暮里にあるボルダリングジムRhino and Birdまで。線路沿いの人通りの少ない奥まった場所にあるので、雨の中、ジムを探して右往左往したのち見事に発見。無事に到着。外観はただの古びた小さな工場。一歩中に入ると床も壁も木の板がびっちり敷き詰められ、カラフルなホールドが壁一面にちりばめられている。初めて目にする空間、木目とホールドのコントラストが単純にキレイだ。

まずは感じのいいスタッフのお兄さんから初心者講習を受ける。ボルダリングのルールやマナーを簡単に教えてもらい"お手本を見せます"と、壁を猿のようにスルスル登っていく後ろ姿に注がれる尊敬の眼差し。ほほぉ〜と一同感心。テレビなどで何度か目にはしているけれど、やっぱり見るのとやるのとでは大違い。

小学生の頃、ファミコンが日本中のちびっ子の心を鷲掴みにしていたけれど、家の中でカチャカチャ、ピコピコするよりも外で遊ぶ方が断然楽しかった。ユンボで削り取られた山肌にできた崖を、自力でよじ登ってみたり。自分たちの身の丈よりも大きな岩が、ゴロゴロころがる川の上流をひたすら目指してみたり。友達の家の塀によじ上り、屋根の上で騒いでみたり。無意味にお寺や神社の大木に挑んでみたりと、野生児という程ではないけれど、山、川、池、林に田んぼと、当たり前に自然が遊び場ではあった。
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そんなこともありボルダリングも、意外に簡単にできるんじゃないかと軽い気持ちで参加してみたものの、なかなかコツを掴むまでは悪戦苦闘。コツを掴んでからも悪戦苦闘。結局のところ最後まで悪戦苦闘。右手、左手、右足、左足、頭、腰、それぞれのポジションを把握しバランスよく壁の上に体を滑らす。分かっていても難しい。握力や腕力で力任せに登ろうとしても、どんどん乳酸が溜まる一方で。”頭を使って要領よく、なるべく体力を使わずにラクして登るのが利口ですよ!”とアドバイスされても、最初からそんなに上手くはいかないもので。同じルートに何度挑戦してもことごとく跳ね返される。最後のほうはなかば意地。指がぎしぎし、腕がぷるぷる。この日はあっさりと限界と負けを認めジムをあとにする。駅へ続く帰り道、どんよりと漂う敗北感。とはいえ、ビール♪ビール♪と飲み会に向かう。ただ腕はパンパン、指はピキピキ。中ジョッキをぷるぷると両手で抱え、ゆっくりと口元へ運ぶ姿はどう考えても勝者のそれではない。"次こそは祝杯を上げるのだ"と密かにリベンジを誓う。そもそも勝ち負けという次元のスポーツじゃなさそうだけれど、なんだか負けた気がする。そんなどうでもいいことに腹が立つ。相手が負けず嫌いだとやっかいですが、自分にとって負けず嫌いは一番の動力源なのです。もちろんスポーツに限ったことではなく。
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by monday_panda | 2009-05-19 23:49 | sports | Comments(7)
永久に不滅です。
久しぶりにあんなにもドキドキした。そしてワクワクした。

朝、いつも通りに出社。仕事はとりあえず置いておいて、テレビをつける。ちょうど1回の表が始まったところ。そのままドカっと腰をおろし、一球一打に全神経を集中させる。WBCの決勝、対戦相手は宿敵韓国。ぱらぱらと出社してくる同僚も、そのままテレビの前で動かなくなる。『うわぁー』だとか『あぁ〜』だとか、普段会社ではまず聞くことのない声が会議室に響く。仕事が暇な人は画面に釘付けになり、仕事がある人も歓声があがる度にパタパタと覗きにやってくる。狭い会議室にぎゅうぎゅうになりながら、侍ジャパンの勇姿に心躍らせる。まるで街頭テレビの力道山の空手チョップに、目をキラキラさせていた昭和の少年達のように。
小さい頃、親父とサッカーをした記憶はないけれど、キャッチボールをしたことはよく憶えているし、夕飯のあと、プロ野球中継を二人であーだこーだ言いながら見ていたことも、よく憶えている。サッカーやバスケに人気を持っていかれ、王、長嶋に匹敵するスーパースターもいなくなり、野球中継も少なくなったといっても、高校野球の人気は相変わらずで、毎年メジャーで活躍する選手も増え、休日の多摩川では朝早くから少年野球団が元気な声をあげ白球を追いかけている。その隣では白髪まじりのお腹の出た元野球少年が、チビッ子に負けじとダイヤモンドを駆け巡る。スーパースターがいなくなっても、いつの時代もヒーローは出てくる。中継がなくなっても、スタジアムではジリジリするような熱戦が繰り広げられている。そうだ、やっぱり日本人は野球が好きなんだ。この国のベースボールは永久に不滅です。
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by monday_panda | 2009-03-25 03:10 | sports | Comments(2)
夏の空に消えた。
つけっぱなしのテレビから、高く響く打球音や、アルプスを彩るブラスバンドの音。
丁寧に絵の具を塗ったような真っ青な空、歓声、汗、土、風、光。甲子園。夏本番。

重量150gにも満たない小さな白球のゆくえに、青春のすべてをかけて、
歓喜し、涙し、ブラウン管の四角く小さく切り取られた枠の中で、
ほとばしるエネルギーをまき散らしながら、躍動する高校球児が、
自分より年下だという事実に、違和感を抱かなくなったのは、ほんの最近のこと。

大袈裟な表現ではなくて、『青春のすべて』と言い切れるものだからこそ、
プロ野球とは違って、負けるということの意味があまりにも重すぎる。
と同時に、勝つことが持つ意味も測りしれない。そう思う。

キラキラと夏の太陽をうけて光り輝く汗、悔しさと溢れる情熱が入り混じった涙、
何万もの視線を釘付けにする弾ける笑顔、そんなどんなに使い古された言葉も、
恥ずかしくなりそうなくさい台詞も、彼等と一緒にあると何の抵抗もなく
すんなり受け入れられる。それが似合うっていいな。若いっていいな。

一球入魂。それゆけ高校球児。高校野球は永久に不滅です。

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by monday_panda | 2007-08-15 22:52 | sports | Comments(2)



イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
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