バレンタインの昨日。とても暖かかった。むしろ暑いくらいだった。こんなんじゃぁ、チョコレートも溶けちまうなぁと、どうでもいい心配をしてみる。昨日ほどじゃないにしろ真冬という空気でもない今日、昼過ぎに高円寺に行く用事があったので、少し早めに家を出て、久しぶりに吉祥寺まで足を延ばしてみる。
井の頭公園とは反対の出口を出て、家族連れやカップルで賑わう商店街をトコトコと抜け、伊勢丹へ向かう。この建物の7階にひっそりと武蔵野市立吉祥寺美術館がある。目的は1月の終わりから開催されている“原研哉デザイン展 本 〜友人、原田宗典がモノ書きだったおかげで。〜”。こんなとこに美術館なんてあんのかなぁなんて思いながら7階に着くと、こじんまりとした館内に整然と展示された本の数々が。見たり、読んだりしたことがある本もいくつか並んでいる。原研哉といえば、まず一番に出てくるのが無印良品のアートディレクション。丁寧、上質、静寂、均等といったキーワードが浮かぶ。まさに、ひくデザイン。要らないものは削ぎ落とす。シンプルイズベスト。必要最小限の情報だけで組み上げられた静かなデザイン。というのが今までに目にしてきた作品から受ける印象。ただ、今回の展示は装丁がメイン。普段のデザインではあまりイメージにない色やイラストを使い、無駄で少しズレた要素を、手に収まるサイズの平面の上で、確かに必要なものとして扱っている。ただ、あくまで主役は本の中身。ごちゃごちゃと着飾り過ぎても、ペラッペラで素っ気なさ過ぎてもいけない。この微妙なバランスが難しい。なんだか人みたいだ。なんてことを感じる。 装丁が変わるだけで本の売れ行きがまったく違ってくる、という話しも聞く。太宰治の小説の表紙にマンガ家のイラストを使ったら、購買層がガラッと変わったように。いくら内容が良くても、手にとってもらって、頁をめくってもらわないことには本として成り立たない。そのために、なにかしらの"きっかけ"や"ひっかかり"をデザインで補っていくわけで。こんな身近にある、小さな本ひとつとっても、書体、紙、印刷と、デザインの持つ力をいくらでも注ぎ込める。 そんな小さな"気づき"でちょっとした意識の変化。この積み重ね。明日もはりきってデザイン、デザイン!
by monday_panda
| 2009-02-16 02:45
| design
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