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先生。
先月のこと、5月の終わりまで横浜美術館で開催されていた『金氏徹平:溶け出す都市、空白の森』へ出かける。この展示を知ったのは、でかでかと『金氏徹平』と刷られた電車の中吊り広告で。『かねうじ?カネウジ?テッペイ・・・!?』

美大を目指して、大阪でぷらぷらと浪人していた頃、通っていた美術の予備校には講師として、京都芸大の学生が何人か教えに来ていた。当時、浪人生だった僕には、美大生は個性的で、絵がうまくて、なんだかとてもすご〜い人に見えていた。ある日の色彩構成の時間後に『この絵だと何が言いたいのかが伝わらない』と酷評された僕の後ろに立っていた講師が『俺はその絵、ええと思うけどな』とボソっと呟いた。もう10年も昔のおはなし。その一言をポロリとこぼした人物こそが金氏徹平、その人だ。猫背で、人の目を見ないでボソボソと喋り、そのくせポロっと言った一言がおもしろかったりする。変わった人だった。教えてもらっていた生徒からすれば、なかなかとっつきにくい先生だったけど、話してみるとその独特の世界観がとてもユニークで面白かったことを思い出す。
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東横線に揺られみなとみらいまで。地下からスイーっとエスカレーターで地上へ上がると、威風堂々、横浜美術館が姿を現す。受付で1000円を払って展示会場へ足を進める。容量たっぷりの広々とした白い空間に、立体、コラージュ、ブリコラージュなどが静かに存在感を放っている。がむしゃらに主張しすぎるわけでもなく、かといって素通りできるようなものでもない。自分の中では”なんだか気になる”というのが一番ピッタリの感想だろうか。ひとつひとつ”ん?なんやこれ?”と全体を見て、細部を見て、また全体を見る。普段、抽象的で作者の発するメッセージを汲み取ることのできないような難解な作品は敬遠しがちだけれど、どれもこれも足を止め、顔を近づけ向かい合う。大学では彫刻を専攻していると言っていたけど、映像作品、ドローイング、写真と作品の幅は広い。どの作品からも、ちびっ子が何にでも興味を示すような無条件の好奇心を掻き立てられる。"分からないことが気持ちいい" といった感じ。よかった。見に行ってよかった。
10年の歳月は、ちょっと変わった先生を今注目の若手アーティストにしていた。
by monday_panda | 2009-06-08 23:37 | art | Comments(2)
Commented by sei at 2009-06-10 18:20 x
いろんなところ行くなぁ。。。展覧会あるところにこの男あり!

いろんなもの見て吸収してください。これからのデザイン、期待しているよー!!
Commented by monday_panda at 2009-06-25 04:30
seiさん・・・ほんまに見たいもんしか見に行ってないんで、かなり偏っとるんやけど。吸収ばっかりしてないで、その分、外に吐き出さないかんのやけどなぁ。ゲロゲロっと。
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イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
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