人気ブログランキング |
Top
漫画の虫。
初めて親に買ってもらった漫画は『鉄腕アトム』。たしか小学校の低学年の頃だったと思う。自分から鉄腕アトムが読みたいと言ったのか、親が勝手に選んだのかは忘れてしまったけれど。よくよく考えてみると母親が手塚漫画の愛読者だったこともあり、きっと親の独断で買い与えられたんだと思う。あれから20年。今も僕の部屋の本棚には、もう何年も開いていない黄ばんでボロボロになったアトムが並んでいる。

先月、江戸東京博物館で展示されていた”手塚治虫展-未来へのメッセージ-“へ。以前見に行った井上雄彦 最後のマンガ展ほどではないにしろ、一枚の原画を見るのにも苦労する混み具合だった。ちょっとでも空いている場所を見つけては、順路おかまいなしで人の間に滑り込み、丁寧に額装された歴史を感じる原画に鼻っつらをすり寄せて凝視する。当たり前に上手い。そして何より一コマ、一コマの情報量が想像以上に多い。単行本で読んでいるのと内容は同じなのに、こういう状況で見ると普段より丁寧に見るからなのか、背景の細かい書き込み、繊細なタッチが妙に際立つ。手塚作品がいまだ強い影響力を持つのは、この高い描写力・デッサン力もさることながら、作品ごとに掲げられた深いテーマにあるのだろう。ともすると偽善、説教臭いととられ かねない、生命の尊厳・ヒューマニズムといったテーマを軸に、民族紛争・環境破壊・人種差別などたくさんの問題がちりばめられている。しかし、手塚作品独特のユーモアや、スター・システムによる個性的なキャラクター達によって、敬遠されがちな難解なテーマも”大衆の娯楽、漫画“として読者の手元に届けることに成功しているのではないだろうか。
漫画の虫。_b0115008_23534458.jpg
などと偉そうにぺらっぺらな考察なんぞをしてみる。なんだか漫画家の友人にダメだしされそうだけれど。鉄腕アトム、ブラック・ジャック、火の鳥、ジャングル大帝、三つ目がとおる、ブッダ、ユニコ、どろろ、海のトリトン、リボンの騎士と、パッと思い出しただけでもこれだけの人気作品が出てくる。1日、1時間、1分、1秒、すべてをマンガに費やしても、一人の漫画家がこなせる仕事量ではない。この日、一番強く感じたことは”質より量、量より質“ではなく、質も量も圧倒的に超一流だということ。感心よりも驚愕。
手塚治虫はまさに漫画の虫。誰からも愛される虫でした。
by monday_panda | 2009-07-21 23:54 | art | Comments(4)
Commented by NYD at 2009-07-25 13:27 x
本棚にあるマンガの心って本、
読んでみてえな・・・。
Commented by sei at 2009-08-15 11:54 x
鉄腕アトムの漫画は読んだことないけど、絵が現代でも古くさくないよな。本当に日本人が書いたの?ってくらい。さらっと書いているようにみえるぶん躍動感を感じる。
Commented by monday_panda at 2009-08-21 03:35
NYDさん・・・どうも。"マンガの心"って本は、僕が実家を出る時にオカンがくれました。ちなみに、親父は"一瞬の夏"というボクシングが題材の本をくれました。マンガとボクシング。両親は俺を何にしたかったのだろう・・・。謎です。
Commented by monday_panda at 2009-08-21 03:45
seiさん・・・どうも。僕も正直、数える程しか手塚作品を読んだことはないけど、幾多の漫画家が憧れ、目標にしたってのは分かる気がするな〜。その、漫画本から飛び出して来るような躍動感に、当時のチビッコは目をキラキラさせてたんやろな。素敵や。
<< 1980。 ソウルフード。 >>



イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
by monday_panda