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踊る光と歌う影の町。その4
次の日にキューバを離れるという日、革命広場を見に行き、あまり観光客が足を踏み入れそうにもない閑静な住宅街や、公園なんだかただの森なんだか分からない緑地を抜け、ビール片手にとぼとぼと旧市街に向かって歩く。晴れていたかと思うと、ものすごい勢いで雨が降る。キューバの人たちに紛れてのんびりと雨やどり。昨日、町で話したおっちゃんが『明日は雨だからバッドデイだ!』と言っていたのを思い出す。雨に濡れた町が、空の水色を映した水たまりが、陽に焼けた褐色の肌がキラキラしている。これはこれで、なかなかグッドデイだ。
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歩き疲れて旧市街の端のレストランに入り、モヒートを飲み干しビールを頼む。少し離れた席に日本人っぽい女子を見つけ、しばし考える。日本人だろうか?と。まぁ、旅の恥は掻き捨てである。『すみません。日本人ですか?』と声をかけてみる。『はい。そうです。』日本でやると立派なナンパだ。まぁ、キューバでやってもただのナンパか。相席させてもらいぽろぽろと喋る。2週間程の休暇のうちにカンクンの友達の所へ遊びに行き、キューバで数日過ごし、その後ニューヨークでブロードウェイを見て帰るのだという彼女。学生の頃から海外にはよく行っているようで、スペイン語圏の国が特に好きなのだという。なんだか珍しい、そして逞しい。僕の周りの友達もピューっと海の向こうに飛んでってしまうのは、圧倒的に女の子の方が多い。いやほんと、日本の女性は逞しい。いやいや、美しい。
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レストランを出て、地元の人と観光客で華やいでいるオビスポ通りに軒を連ねるお店をブラリプラリとひやかしながら、旧国会議事堂やガルシア・ロルカ劇場を『ほほほ〜』と眺め、突然の雨にしばし雨やどり。露店の謎のジュースに並ぶ人達や、ぴちゃぴちゃと雨粒をはじく水たまりを見ながら、雨雲が流れるのを待つ。ヘミングウェイも通ったというエル・フロリディータに入る。ドアを開けると薄暗い店内には、たくさんのお客さんと陽気な音楽が溢れている。日本で数ヶ月、演奏経験があるのだというおじさんが、一番前の席にちょこんと座った黄色人種ふたりに愛想よく声をかけてくる。『コーヒールンバを知ってるか?』と遠い異国からはるばるやってきたジャパニーズのためにジャンジャン!ジャジャジャン!と演奏してくれた。そんなあったかい心意気と、自然と体を揺らす独特のリズム、そして甘ったるいダイキリが、カリブの太陽に灼かれた身体にジワッと沁みていく。
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by monday_panda | 2010-08-06 23:55 | daily | Comments(0)
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イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
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