Top
花発多風雨 人生足別離。
 日曜日、新婚の友人夫婦に誘われお花見に行ってきた。昼過ぎ、都知事選へ投票に行き、カバンにケーキと唐揚げとビールを詰め込み、自転車で多摩川沿いを駆け抜ける。たくさんの花見客で賑わう多摩川駅を越え、河川敷におりる。風が心地いい。やわらかな春の匂いがする。野球やテニス、アメフトで汗を流す多くのスポーツマンを横目に、友達を探す。自粛ムード満載なのかと思いきや、例年よりも人が多いようにも見える。たくさんの人が満開の桜の花に、何か救いのような祈りに似た感情を抱いているのかもしれない。きょろきょろしていると『お~いっ!たろちゃ~ん!』と呼び止められる。綺麗な桜の木の下に見慣れた顔を見つけ、パッと笑顔が咲く。震災後、初めて会う面々と、どーも、どーも、とビールで乾杯。

 独身男子、独身女子、新婚夫婦に妊婦さん、そして、パパママとなった友人と愛娘。総勢10名。なんか人の生きる道の縮図のような構成だ。この歳になれば、ま、そんなもんか。相変わらず独り身で今年も桜を眺める僕。もう何年連続なのだか。新婚の二人は結婚し家族となり、初めて迎える春。同じ風景も去年までとは違って見えるのかな。妊婦の友達のおなかは大きくて、夏頃に第一子誕生。来年の春はちびっ子と桜を見るのだろう。もうおなかの中では春を感じているのかもしれない。パパママの二人とちびっ子は、三人揃って二度目の暖かい春を迎えたことになる。小さな身体には春と似たような力がきっとある。みんなで取り囲みニコニコになるその光景は、春が訪れる度に桜の木の下に集まるのととても似ている。毎年、毎年、何があっても、何が起こっても起こらなくても、ほとんど変わらないペースで四季は巡り、気づけば桜の花の咲くスピードで春はやって来る。その度、小さな不安や希望を僕らの胸の内にパッパッと咲かせ、心を真新しい鮮やかな色で染め上げてくれる。
b0115008_7255276.jpg
そんなふうにして、春は来る。淡々と、あっさりと。
そんなふうにして、花は咲く。慎ましく、力強く。
そんなふうにして、またひとつ、僕たちは消えることのない年輪を刻み込む。

 
[PR]
by monday_panda | 2011-04-16 07:27 | daily | Comments(0)
<< 155万通りのこれから。 ちゃちゃちゃの。 >>



イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
by monday_panda