人気ブログランキング | 話題のタグを見る
Top
illustration works 44
illustration works 44_b0115008_1310351.jpg
高校生や大学生の頃、頼まれてもいないのに、自分の描いた絵を友達にプレゼントしたりしていました。もちろんそこにお金は発生しません。ただただ絵を贈る相手のことだけを想って、ニヤニヤしながら描いている時間は、とても有意義なものでした。客観的に見ると、ちょっとストーカーじみていて怖いです。狂気すら感じます。当時の僕は何の疑いもなく、友達はこの絵を貰えば、必ず心から喜んでくれるはずだと思っていました。大抵の人は本当に嬉しくなくても『ありがとう』と言うだろうし、社交辞令でも喜んだふりくらいしてくれるもんだと思います。社会に出て10年。大人の対応というものを学びました。今思えば、あまりにも自分本位な行為だったなと思います。とんだありがた迷惑です。単純に自分の絵を褒めてもらいたい、自分の絵の上手さを自慢したい、というような幼稚な思考が透けて見えます。とはいえ、そんな自負がなければ、絵を描くことを生業に出来なかった気もします。そんなことの延長が、今のお仕事につながっているというのも不思議なもんです。

普段のお仕事で『このイラスト誰が見るんだろう』とか、『このイラストで誰が喜ぶんだろう』なんて悶々とすることがあります。そんな時、無性に、誰かのためだけに、誰かのことを強く想って絵を描きたくなります。それは、大好きな絵を描いて、僕の絵を見てくれた人を少しでも幸せにしたい!なんてキラっキラした無垢な精神ではありません。このやり場のない、ドロドロとした苛立ちや怨念を成仏させたい!なんていう、ちょっとどうかと思うような精神状態です(そんなイラストを貰って誰が喜ぶ)。そんなことはさておき、高校時代の友人からご依頼を受け、長男の一歳の誕生日の記念にと、幸せいっぱいの家族のイラストを描かせていただきました。昔、会社の同僚に教えてもらった『FAMILY』の隠れた意味が伝わるような、あったかい絵になった気がします(自画自賛)。

Father And Mother I Love You.っていう意味が。
 
Client : Fukuyama Family
Media : A3/家族絵
 
 
 
by monday_panda | 2014-05-16 01:30 | works【 illust 】
<< illustration w... illustration wo... >>



イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
by monday_panda