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誰かの気配。
実家を出てからもう10年近くたつ。一人暮らしが長くなると自分だけの
変なクセがついてしまう。人に言っても首をかしげられるような。

大阪で浪人してた時の家は、同じ予備校に通う、愛媛出身の人と高知出身の人と
香川出身の自分と、なぜかマレーシア人の留学生の4人で一軒家に住んでいた。
同じ四国出身ということもあり、特に愛媛の人とはよく一緒に飯を作ったり、
夜遅くまでだらだらと喋ってたり。予備校の友達もしょっちゅう遊びに来てたので、
いつもぎやかで、浪人してることを忘れるくらい楽観的に毎日を過ごしてた。

金沢で学生生活を送っていた時は、2回生の時に、大学に近いボロボロの一軒家に
引っ越したことがきっかけで、サッカー部の溜まり場みたいになってしまった。
誰かの誕生会、クリスマス、飲み会、特にこれといったイベントがなくても
誰かしら家に遊びに来て、というよりも、まるで自分のうちみたいに、
ゴロゴロとゲームをしたり、マンガを読んだり、夜遅くなっても帰るという
選択肢は最初からないのか、当然のごとくこたつにもぐり込んで眠りだす。
それが自然で、それが日常だった。
いつもいつも、心地のいい、誰かの気配を感じながら過ごしていた。

東京で社会人をしている今は、生活も不規則で、徹夜で朝まで仕事のあと、
出勤している人たちの中を、逆流しながら家に帰ることもしばしば。
今のところ完全に家は、寝るためだけの場所に成り下がっている。
月々67,000円の簡易ホテルに。
ただ、朝まで仕事で、眠い目こすってふらふらと家に着いた時の、
誰の気配もない部屋に溢れている朝日だけは、なかなかのもんかな、と。

誰かの気配。_b0115008_23311824.jpg

by monday_panda | 2007-08-02 23:33 | daily
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イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
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