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ちょっと大げさな表現かもしれませんが、小学生の頃、文房具って、自分の存在をクラス内で誇示するための、ひとつのツールだったような気がします。もちろんビックリマンシールだったり、シルバニアファミリーもまた然りです。当時は、単純にカッコいいから、カワイイからみんなに自慢したい!ただそんな気持ちだけだったとは思いますが。新しい文房具を持って来た子は、その日、クラスでちょっとした人気者でした。今思えば、文房具本来の機能よりも、プラスαの方がメインになった商品がたくさんあったなぁと。ボタンを押せばやたらパカパカ開く筆箱に、フィギュアのようなクオリティのまったく消せない消しゴムや、次々と芯が飛び出すロケット鉛筆に、いい香りのするシールやカラフルなにおい玉などなど。文房具の魅力というより、魔力に当時の僕たちは完全にやられてたんだなぁと。親におもちゃを買ってとねだるのは気がひけたけど、文房具なら少し罪悪感が軽減してたように思います。ほぼおもちゃみたいなもんだったけど。そんなことを思い出しながらのお仕事でした。

ということで、プラス株式会社様よりデコレーションローラー デコルノの第3弾が、6月12日より全国発売されています。6パターンの中の『タビ、クツ、イヌ』の3パターンのイラストを描かせていただきました。相変わらず顔に似合わず、かわいい感じのイラストに仕上がってます。味気のない手帳の賑やかしに、大事な人への手紙の彩りに、つまらない授業の癒しに、コロコロ、コロコロしてみてはいかがでしょうか。量販店などの文具・雑貨コーナーに置かれています。ご興味のある方はぜひ。レッツ、コロコロ!
 
Client : プラス株式会社
Media : デコレーションローラー デコルノ 用 イラストパターン
 
 
 
by monday_panda | 2013-06-19 13:00 | works【 illust 】
illustration works 28
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今日も誰とも言葉を交わすことなく、誰かに何かを伝えることもなく、一日が終わりそうです。
いつからか友人知人の間では、無口キャラが定着している僕ですが、本来はお喋りの好きな目立ちたがり屋です。そして恥ずかしがり屋でもありますが。頭に浮かんだことを、そのまんま口から吐き出すタイプではないので、さほど口数は多くないけれど、意外と人と話すことが好きなんです。

ただ、なんでもかんでも言葉にすればいいとは思っていません。時にその沈黙が、言葉よりも大きな意味を持つことがあるように、その何気ない仕草が言葉を凌ぐことがあるように、こちらが意図しない所でも、相手に伝わる手段はいくつもあるんだと思います。とはいえ、自分が思っている以上に、自分の気持ちや想いが伝わっていないのも事実です。半分も伝わっていれば上出来だと思います。
例えば、大好きな子に、ただ『好きだ』と言って10%、ひざまずき花を差し出して20%、そして手にそっとキスをして30%、そんなことを毎日毎日繰り返して40%。がむしゃらにやってみても、それでも半分には届かない。100%伝える為には、他に何で補えばいいのか皆目見当がつきません。恋愛に限らず、自分ではない他人に気持ちを伝えるのって、それくらい面倒で、もどかしくて、回りくどいもんだと思っています。

そんな、花なのか、キスなのかは分かりませんが、今回のイラストはそういう役割のものです。クライアントへのプレゼンテーション、そこで提出する企画書のためだけに描きました。小さな文字がアリンコのようにビッシリと並ぶ書面。読み手にとっては地獄です。読んでも読んでも相手の意図が頭に入ってこない。まったく素敵なイメージが湧いてこない。受け取りたいのに汲み取れない。そんなもどかしい、伝えたいのに伝わらない時、僕の描く一枚のイラストが、せめて10%の花にでもなればいいのにな、なんて思っています。
 
Client : 某 ディスプレイデザイン会社
Media : 企画書用 イラスト
 
 
 
by monday_panda | 2013-06-14 03:13 | works【 illust 】
うららかさんぽ 36
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大学生の時、うちに洗濯機を借りに来る女の子がいた。美大生にはよくあることで、彼女は洗濯機を持っていなかった。『おーい、タロくーん。洗濯しに来たー』と玄関先から声がする。洗濯機がぐるぐるぐるぐると日々の汚れを洗い流している間、よく二人でお喋りをしていた。多くの言葉を交わした気はするけれど、今となっては何ひとつ憶えていない。学生然とした有り余る時間の中、大きく広げた真っ白な画用紙に、ぽとぽとと絵の具を垂らし、水をたっぷりと含んだ筆先で薄く薄く塗り広げる。そんなあやふやで一枚の絵にもならない、不安定で未完成な時間だったと思う。別に恋心を抱いていたわけではないけれど、僕は彼女といる空間がとても好きだった。

卒業以来10年ぶりに、なんとなく彼女に会いたくて、富山県は高岡へ。駅の構内、遠くから僕の姿を見つけ『おーい、タロくーん』と大きく手をふる姿は、洗濯物を抱えていた22歳の彼女とひとつも変わっていなかった。高岡で子どもたちに美術の楽しさを教える傍ら、“かんか”という工房で自身の制作活動も続けているようで、制作で荒れた掌をパッとひらいて、『手ぇ、汚いねん』と嬉しそうに言っていた。

五月にしては冷たい雨に滲んだ高岡の町を駆け抜ける。美男の大仏様を拝み、新緑に萌える古城公園を愛で、彼女の主戦場である工房にもお邪魔する。10年という時間をひょいっと飛び越える、ほんの数時間。カチカチに固まった絵の具は水で溶かせばいい。そうするときっとまた、鮮やかな色を取り戻す。彼女と共に工房で働く方々も交え小さな宴。煽り、語り、笑う。北陸の美味い酒と肴をご馳走になる。淡く静かな夜だった。当たり前に夜が明けると朝、春が過ぎると夏。今年もまた、彩度を増した夏が来るその前に、日々のよごれを洗い流す雨が降る。あの子の町にもぼくの町にも、長く静かな雨が降る、降る。
(富山県・高岡市・金屋町)
 
by monday_panda | 2013-06-03 10:45 | stroll | Comments(2)



イラストレーター栄元太郎のブログ。イラストや写真や言葉。溜まったものを、ぽこぽことアウトプット。
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